全て教えます。鶏が食べているもの。素ヱコ農園の餌とその詳細 - 素ヱコ農園(スエコノウエン)平飼い卵の通販

【完全公開】平飼い卵の味は“餌”で9割決まる!佐賀の小さな農園の鶏が食べているもの

 

「スーパーの卵と何が違うの?」

「平飼い卵って、どうして少し値段が高いの?」

こんにちは!佐賀県伊万里市で、夫婦で小さな養鶏場「素エコ農園」を営んでいる松本です。

素エコ農園の紹介画像

私たちは、鶏たちが地面を自由に駆け回り、太陽の光を浴び、自然に近い環境で暮らす「平飼い」という方法で、毎日卵をいただいています。

その美味しさの秘密は、ストレスのない環境はもちろんのこと、鶏たちが毎日食べる「餌」にあります。

「鶏だから、何を食べさせても同じでしょ?」

ある時、こう言われたことがあります。確かに鶏は何でも口にしますが、その食べたものが卵の味や栄養、そして鶏自身の健康に直結することを、私たちは日々の経験から確信しています。

この記事では、私たちがなぜそこまで餌にこだわるのか、そして具体的にどんな餌を、どんな想いで与えているのかを、包み隠さず全てお話しします。この記事を読み終える頃には、私たちの卵の価値をきっとご理解いただけるはずです。

そもそも「平飼い」とは?鶏にとって最高の環境

私たちの農園の基本は「平飼い」です。これは、鶏をケージに入れず、地面の上で自由に生活させる飼育方法です。鶏たちは、好きな時に砂浴びをし、羽を伸ばし、仲間とコミュニケーションをとります。このストレスのない環境が、心身ともに健康な鶏を育み、雑味のない、クリアで濃厚な味わいの卵を生み出す第一歩となるのです。

1500羽の家族へ。1日150kg、全て手作りの愛情ごはん

餌を準備する農園主の画像

素エコ農園で暮らす鶏は、約1500羽。鶏は1日に約100gの餌を食べるので、農園全体では毎日150kg、1ヶ月で4.5トンもの餌が必要です。

一般的な大規模養鶏場(平均7万羽)では、月に210トンもの餌を消費すると言われています。その多くは、効率を重視した配合飼料です。

しかし、私たちは自分たちの手で、自分たちの目で確かめた素材だけを使って餌を作りたいという想いから、あえて規模を拡大しません。量が限られても、私たちが信じる「本当に良いもの」を追求し続ける。それが素エコ農園の約束です。

餌の攪拌機の画像

【配合大公開】フードロスも削減!素エコ農園の自家製飼料レシピ

私たちが作る餌は、人間が食べても安全な、国産・地元産の素材が中心です。抗生物質や薬剤は一切使用しません。ここでは、その配合と、一つ一つの素材に込めた想いをご紹介します。

【40%】麦(佐賀県産)- 卵を産むエネルギーの源

餌として使用する麦の画像

餌の主役は、地元佐賀で育った麦。鶏が卵を産むためのカロリー源でありながら、タンパク質やミネラルも豊富。食物繊維が鶏の腸内環境を整え、健康な体作りの基礎となります。

  • 期待できる効果: 産卵エネルギー、健康維持、腸内環境改善
  • こだわり: 地産地消によるフードマイレージ削減

【15%】玄米(佐賀県産)- 卵に豊かなコクと風味を

餌として使う玄米の写真

人間にとっても健康食である玄米。ビタミンB群やビタミンEが豊富で、鶏の健康を支え、卵にお米由来の自然な甘みとコクを与えてくれます。規格外などで市場に出回らないお米も活用し、フードロス削減に貢献しています。

  • 期待できる効果: 卵の風味・コク向上、鶏の健康促進
  • こだわり: 地域の未利用資源の活用

【15%】おから(佐賀県産)- 発酵の力で腸を元気に

地元の豆腐屋さんからいただく、新鮮なおから。貴重なタンパク源であると同時に、米ぬかなどと混ぜて発酵させることで、腸内細菌を元気にする「発酵飼料」に生まれ変わります。これもまた、廃棄されるはずだったものに新しい価値を与える取り組みです。

  • 期待できる効果: タンパク質補給、腸内環境の活性化
  • こだわり: 地元企業との連携、副産物のアップサイクル

【5%】いりこ(国産)- 濃厚な黄身と強い殻を作る

いりこの写真

天然の魚からとれる良質なタンパク質は、卵の濃厚な黄身の素。さらに豊富なカルシウムが、卵を病気から守る硬くて丈夫な殻を作ります。EPAやDHAといった栄養素も、卵の価値を高めてくれます。

  • 期待できる効果: 卵のコク向上、殻の強化、栄養価アップ
  • こだわり: 天然由来のカルシウム・タンパク質源

その他の重要な仲間たち (各5%)

  • 米ぬか(佐賀県産): 玄米の栄養が凝縮。ビタミンEが豊富で、卵にコクを与えます。
  • 醤油粕(佐賀県産): 醤油の醸造過程で出る副産物。アミノ酸と塩分が卵の味を引き締めます。
  • ふすま(佐賀県産): 麦の外皮。食物繊維やミネラルが豊富で、腸の働きを助けます。
  • 蠣殻(広島県産): いりこと同様、卵の殻を強くするための天然のカルシウム源です。
  • 緑餌(自家栽培・野草): 畑で育てた野菜や野草。ビタミンや食物繊維が豊富で、卵の風味を爽やかにします。
緑餌となる草の画像

まとめ:私たちの卵は、たくさんの「想い」でできています

ここまで、素エコ農園の餌について詳しくお話ししてきました。 なぜ、ここまで包み隠さず公開するのか。それは、あなたに心から安心して、私たちの卵を食べていただきたいからです。

私たちの卵は、ただの卵ではありません。 そこには、のびのびと育つ鶏たちの生命力、佐賀の豊かな自然の恵み、そして「鶏にも、人にも、環境にも優しくありたい」と願う私たちの想いが、ぎゅっと詰まっています。

まずは一度、この違いをあなたの舌で味わってみてください。 そして、もしよろしければ、その感想を聞かせていただけると、これ以上嬉しいことはありません。

素ヱコ農園代表 松本啓

この記事を書いた人

松本啓(まつもとさとし)
素ヱコ農園 代表 / 養鶏家

1996年生まれ。
80歳を超えた祖母と共に循環型農業を実現したいと、大企業の内定を辞退。
海と山に囲まれた佐賀県伊万里市黒川町でゼロから平飼い養鶏をスタート。
餌と飼育法に徹底的にこだわった卵は、現在ミシュラン三つ星店でも採用される
“超人気の卵”へと成長。
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