株式会社sueco DX戦略・デジタルガバナンス方針

作成日: 2026年5月22日

公表日: 2026年5月22日

対象期間: 2026年5月から2028年12月

責任者: 代表取締役 松本啓

1. 代表メッセージ

株式会社suecoは、佐賀県伊万里市で平飼い養鶏を行う「素ヱコ農園」を運営し、平飼い卵の生産、加工品、EC販売、定期便、情報発信を行っています。

農業と食品販売を取り巻く環境は大きく変化しています。消費者は、価格だけでなく、誰が、どのような環境で、どのような考えで作った食品なのかを見て選ぶようになっています。一方で、生産現場では人手不足、物流費の上昇、飼料・資材価格の変動、気候変動、感染症リスクが高まっています。小規模な農業法人であっても、勘や経験だけに頼らず、データとデジタル技術を経営に組み込むことが必要です。

当社にとってDXは、農業を単に機械化・自動化することではありません。鶏をよく観察し、地域資源を循環させ、顧客と直接つながるという素ヱコ農園の価値を、少人数でも継続できる経営の仕組みに変えることです。

当社は、AI、EC、クラウド、会計・労務SaaS、発送自動化、データ分析を活用し、平飼い卵を中心とした六次産業の価値連鎖を強化します。生産、加工、販売、定期便、情報発信、地域循環を一体で磨き、少数精鋭でも利益を出せる農業法人モデルを構築します。

2. 経営ビジョン

当社は「平飼い卵を通じて、食べる人、育てる人、地域資源が循環する農業を広げる」ことを目指します。

今後は、卵の販売にとどまらず、加工品、ギフト、定期便、食育、体験、コンテンツを組み合わせ、顧客が背景を理解して継続的に選べるブランドへ成長します。そのために、以下の六層の価値連鎖をデジタルでつなぎます。

内容 DXで強化する点
1. 生産 平飼い養鶏、産卵、飼料、鶏群管理 産卵率・鶏群・作業記録のデータ化
2. 循環 鶏ふん、圃場、地域資源、堆肥活用 作業・圃場・資材管理の可視化
3. 加工 プリン、菓子、マヨネーズ等 商品別原価、需要予測、製造計画
4. EC・定期便 Shopify、定期便、ギフト、法人販売 顧客データ、LTV、解約率、購買導線
5. 顧客接点 LINE、メール、SNS、同梱物 顧客別コミュニケーション、配信改善
6. 経営管理 会計、労務、採用、教育、資金繰り freee、月次PL、AI内製化、KPI管理

3. デジタル技術による事業環境変化への認識

当社は、以下の変化が事業に大きな影響を与えると認識しています。

  1. 顧客接点が店舗・イベント中心から、EC、SNS、LINE、メール、動画、検索へ広がっている。
  2. サブスクリプション、ギフト、法人販売では、購入履歴、配送希望、解約理由、問い合わせ履歴を活用した継続改善が競争力になる。
  3. 生成AIにより、商品説明、広告、動画、メール、社内資料、簡易システム修正を小規模事業者でも内製できるようになった。
  4. 物流費・人件費・資材費の上昇により、配送、梱包、出荷、月次管理の効率化が収益性を左右する。
  5. EC、クラウド、AIの利用が増えるほど、個人情報、顧客情報、認証情報、バックアップ、アカウント権限の管理が経営課題になる。

4. DX戦略

4.1 EC・顧客基盤の高度化

ShopifyをECの中心に置き、定期便、ギフト、法人向け販売、加工品販売を強化します。LINE、Klaviyo、メール、広告、GA4を連携し、顧客の購買行動、定期便継続、問い合わせ、配信反応をもとに改善します。

重点施策:

  • Shopifyの商品ページ、定期便、ギフト導線を継続改善する。
  • LINE・メール配信を購買履歴・季節需要に合わせて設計する。
  • GA4、広告、Shopifyのデータを週次で確認し、キャンペーンを改善する。
  • 定期便の解約理由、継続率、LTVを管理し、顧客体験を高める。

4.2 生産・出荷・在庫の可視化

卵の産卵率、仕入卵、鶏群サイクル、出荷数、配送コストを管理し、供給の谷とコスト増を抑えます。ゆうプリクラウド自動化、Shopify CSV、発送GAS等を活用し、出荷処理の手作業を削減します。

重点施策:

  • 産卵率・鶏群サイクル・仕入卵を月次で確認する。
  • Shopify注文と発送データを標準化し、送り状発行を自動化する。
  • 荷造運賃率を毎月確認し、配送方法、同梱、まとめ発送を改善する。
  • 商品別・チャネル別の出荷数と返品・破損を確認する。

4.3 会計・労務・管理会計の整備

freee会計、freee人事労務、Shopify入金管理アプリ、シフト管理アプリを活用し、月次採算と人員配置を早く把握します。経営判断に使うKPIを月次で確認し、資金繰り、投資、人材育成に反映します。

重点施策:

  • freee月次PLと部門別採算を毎月10営業日以内に確認する。
  • Shopify入金とfreee売上計上の突合を自動化・標準化する。
  • シフト希望、確定シフト、欠勤連絡を社内アプリで管理する。
  • 経費、給与、外注費、広告費、荷造運賃をKPIとして確認する。

4.4 AI・コンテンツ内製化

Claude Code、ChatGPT、Canva、CapCut、Cursor等を活用し、外注に頼っていた販促制作、文章作成、動画編集、商品ページ改善、社内資料、簡易システム改善を社内で回します。AIの利用は、情報セキュリティ基本方針とAI利用ルールに従い、顧客情報・秘密情報の入力を制限します。

重点施策:

  • 商品説明、広告文、LINE、メール、同梱物、FAQの作成をAIで効率化する。
  • ショート動画、SNS、ブログを計画・制作・分析する仕組みを整える。
  • 社内手順書、作業チェックリスト、申請書類をAIで標準化する。
  • Shopify、GAS、Cloud Run等の小規模自動化を社内で保守できる体制にする。

5. 情報システム構成

領域 主なシステム 用途
EC Shopify 商品販売、注文、定期便、ギフト、顧客管理
CRM・配信 LINE、Klaviyo、メール 顧客連絡、ステップ配信、キャンペーン
分析・広告 GA4、Google Ads、Meta広告、CAPI 集客、CV計測、広告改善
出荷 ゆうプリクラウド、GAS、Shopify CSV 送り状発行、発送業務効率化
会計 freee会計、入金管理アプリ 月次PL、売上計上、入金突合
労務 freee人事労務、シフト管理アプリ 勤怠、給与、シフト、従業員管理
情報共有 Google Workspace メール、Drive、カレンダー、資料
AI・制作 Claude Code、ChatGPT、Canva、CapCut、Cursor 文章、資料、動画、画像、コード、業務改善
実行基盤 Google Cloud、Cloudflare Worker、VPS、Supabase 自動化、Webhook、データ保存、社内アプリ

6. DX推進体制

役割 担当 責任
実務執行総括責任者 代表取締役 松本啓 DX戦略、投資判断、KPI確認、対外発信
EC・顧客接点責任 代表取締役およびEC担当 Shopify、LINE、Klaviyo、広告、定期便改善
生産・出荷責任 現場責任者および代表取締役 産卵、在庫、出荷、配送、品質
会計・労務責任 代表取締役、経理労務担当、顧問専門家 freee、月次PL、給与、経費、労務
情報セキュリティ責任 代表取締役 アカウント権限、MFA、秘密情報、バックアップ、インシデント対応
外部支援 税理士、社労士、システム支援者 専門確認、法令・会計・労務・技術支援

運用:

  • 週次: EC、配信、広告、出荷の数字を確認する。
  • 月次: freee月次PL、部門別採算、外注費、人件費、荷造運賃を確認する。
  • 四半期: DX施策の効果、AI活用、人材育成、セキュリティ対策を見直す。
  • 年次: 経営計画とDX戦略を更新する。

7. デジタル人材・環境整備

当社は、専門人材を大量採用するのではなく、現場の実務担当者がAIとSaaSを使って業務を改善できる状態を目指します。

重点施策:

  • Google Workspaceを会社管理の基盤とし、個人別アカウントで利用する。
  • ChatGPT Business、Claude Team等の業務向けAIツールを、担当者別アカウントで利用する。
  • 商品登録、顧客対応、発送、会計、労務、SNS、動画制作の手順を標準化する。
  • AI利用ルールを定め、顧客情報、従業員情報、秘密情報の入力を制限する。
  • 退職・異動時の権限削除、多要素認証、パスワード管理、バックアップを徹底する。
  • 社内で使う自動化コード、GAS、Shopifyアプリ、MCP、Cloud Runの責任範囲を明確にする。

8. KPI

KPI 現状または4期実績 2026年目標 確認方法
売上高 66,032,916円 75,000,000円 freee、Shopify
営業利益 -12,314,947円 4,913,000円 freee月次PL
外注費 4,277,209円 1,400,000円 freee仕訳
荷造運賃率 17.4%程度 15.0%以下 freee、出荷データ
出荷業務時間 40分/日程度 5分/日以内 作業記録
月次PL確認 月次確認の標準化中 毎月10営業日以内 freee、月次ログ
産卵率・鶏群管理 データ管理強化中 月次確認 生産記録
LINE・メール改善 都度配信 週次または月次で改善 配信管理画面
AI内製化 代表者中心 社員・中核担当者へ展開 利用ログ、成果物
セキュリティ 方針整備中 SECURITY ACTION二つ星自己宣言、年1回見直し 自己診断、方針

9. ガバナンスと見直し

当社は、DX戦略を代表取締役の責任で推進し、月次・四半期・年次のレビューを通じて、経営計画、投資、人材育成、情報セキュリティ対策へ反映します。

見直し項目:

  • 経営計画、売上、利益、資金繰りとの整合
  • EC、定期便、広告、配信、コンテンツの成果
  • 生産、出荷、在庫、配送コストの改善状況
  • freee月次PL、入金突合、部門別採算の運用状況
  • AI活用による内製化、削減時間、削減コスト
  • 情報セキュリティ、アカウント権限、バックアップ、インシデント

本方針は、事業環境、顧客行動、技術、法令、社内体制の変化に応じて、少なくとも年1回見直します。