日本人は一日に卵を約2個食べると言われています。そんな身近な存在の卵が、どのような環境で生まれ、食卓に届くのか。 私たち「素ヱコ農園」が取り組む「平飼い養鶏」は、鶏にも人にも環境にも優しい、未来への選択です。

この記事でわかること
1. 平飼い養鶏とは?鶏たちの「当たり前の幸せ」
「平飼い」とは、鶏をケージ(カゴ)に入れず、地面の上を自由に歩き回れるようにして育てる飼い方です。

まるでお庭で遊ぶように、仲間と一緒に走り回ったり、お日様の光を浴びたり、砂の上でゴロゴロして体をきれいにしたり(これを砂浴びといいます)。お腹がすいたらご飯を食べ、夜は止まり木で羽を休める。そんな、鶏が本来持っている習性のまま、ストレスなく、のびのびと暮らすこと。それが、平飼いです。
💡 ケージ飼育との比較
一般的なケージ飼育では、鶏はA4用紙1枚程度の狭いスペースに閉じ込められ、本来の習性を満たすことができません。平飼いは、この動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点からも、世界的に注目されている飼育方法です。

2. 鶏はこれが好き!平飼いが最高の理由(5つの習性)
鶏たちが幸せに暮らすためには、彼らの「本能的な行動」を満たしてあげることが不可欠です。平飼いが鶏にとって最高な理由である、代表的な5つの習性をご紹介します。
① 砂浴び:天然のお風呂
羽についた虫や汚れを落とし、体を清潔に保つための大切なお手入れの時間です。ストレス解消にも繋がります。

② 止まり木で眠る:安心の寝床
野生時代の名残で、外敵から身を守れる高い場所で眠ることで安心して休めます。良質な睡眠は健康の基本です。

③ 採食:毎日の宝探し
地面をつついて虫や草を探す行動は、好奇心を満たす楽しい時間でもあります。自然な行動はストレス軽減に繋がります。

④ 日光浴:心と体の健康の源
体を温め、健康な骨や卵の殻を作るのに必要なビタミンDを体内で作ります。自然な日光は鶏の活力を高めます。

⑤ 仲間との社会生活:群れで暮らす安心感
鶏は社会的な動物。群れの中でコミュニケーションを取りながら生活することが大きな安心感に繋がります。仲間との触れ合いは精神的な健康に不可欠です。

これらの習性は、狭いケージの中では決して満たすことができません。平飼いは、鶏たちの「当たり前の習性」を引き出し、本来の活力を育む飼育方法なのです。
3. なぜ「素ヱコ農園」は平飼いにこだわるのか?
大量生産・大量消費の現代において、何か大切なことを忘れてしまっているのではないか?そう思い、私たちはこの田舎で持続可能な農業をやりたいと考え、平飼い養鶏を始めました。
地域の衰退が加速する日本だからこそ、僕たちはあえて手間ひまをかけ、あえて若いメンバーで農業に取り組んでいます。これは単なる養鶏ではなく、地域社会への貢献、そして未来への投資だと考えています。

私たちの挑戦が、新しい希望となる日を目指して。
私たちは、鶏たちが健康で幸せに暮らすことが、結果として美味しく、栄養価の高い卵を産むことに繋がると信じています。そして、その卵を通じて、食の安全や持続可能性について考えるきっかけを提供したいと願っています。
4. 平飼い養鶏のリアルな日常:喜びと、時々、涙と。
「平飼い」と聞くと、のどかで穏やかな光景を想像されるかもしれません。もちろんそれは私たちの理想ですが、その裏にはうまくいかないことの連続です。
そもそも、平飼い養鶏は一般的にスーパーに並んでいる卵の生産と比較して、かなり非効率です。広々とした環境を維持することも大変ですし、鶏の健康を第一に考えたこだわりの餌も、一つ一つ厳選しています。
悔し涙を飲んだ、害獣による被害。思うように上がらない産卵率のグラフを前に、頭を抱える日々も数えきれません。

それでも、私たちがこの道を歩み続けられる理由があります。それは、朝の鶏舎に響く元気な鳴き声と、手の中に感じる温かい卵の重み。無心に餌をついばみ、気持ちよさそうに砂浴びをする鶏たちの姿を見ると、これまでの苦労がすっと溶けて、かけがえのない喜びに変わるのです。
大変だからこそ、愛おしい。それが私たちの「平飼いのリアル」です。
5. 【Q&A】平飼い卵のよくある質問
平飼い卵について、お客様からよくいただく質問とその回答をまとめました。
Q1. 平飼い卵と普通の卵、味や栄養に違いはありますか?
A. はい、違いを感じる方が多いです。ストレスなく健康に育った鶏の卵は、黄身が濃厚で臭みがなく、白身はぷりっとして甘みがあるのが特徴です。栄養価はエサの内容に左右されますが、健康な鶏は栄養を効率よく卵に蓄えることができると言われています。
特に、平飼い鶏は自然な環境で運動することで、筋肉が発達し、代謝が活発になるため、卵の質も向上すると考えられています。
Q2. 平飼い卵はなぜ値段が高いのですか?
A. 主に2つの理由があります。一つは、ケージ飼いより広い土地と設備が必要なこと。もう一つは、鶏の健康管理や清掃など、多くの手間ひまがかかることです。鶏の幸せを追求するための、愛情のコストだとご理解いただけると嬉しいです。
生産効率よりも、鶏の福祉と卵の品質を優先しているため、どうしてもコストは高くなります。しかし、その分、安心と美味しさをお届けできると自負しています。
Q3. 良い卵の見分け方はありますか?
A. 割ってみるのが一番です!黄身がこんもりと盛り上がり、指でつまんでも崩れないほどの弾力があれば、新鮮で健康な卵の証拠です。また、白身が二層に分かれているのも良い卵の特徴です。
さらに、殻の表面がザラザラしているものや、光沢があるものも新鮮な証拠です。素ヱコ農園の卵は、一つ一つ丁寧に検品してお届けしています。
6. まとめ:あなたの選択が、鶏と未来を変える
平飼い卵を選ぶことは、単に「美味しい卵」を手に入れるだけでなく、鶏たちの幸せ(アニマルウェルフェア)を応援し、誠実な生産者を支え、持続可能な農業と豊かな食の未来に貢献することに繋がっています。
あなたの毎日の「選択」が、鶏たちの暮らしと、私たちの食の未来をより良い方向に変える力を持っています。
🌍 世界のトレンド:アニマルウェルフェア
近年、欧米を中心にアニマルウェルフェア(動物福祉)への意識が高まり、ケージフリー(ケージ飼育廃止)の動きが加速しています。日本でも消費者の関心が高まっており、平飼い卵は、この世界的な潮流に沿った「エシカル(倫理的)な選択」として注目されています。
素ヱコ農園のこだわり、味わってみませんか?
私たちの想いと、鶏たちの元気がたっぷり詰まった平飼い卵。ぜひ一度、ご賞味ください。
※外部サイトへ移動します。