卵の食中毒ってなに?平飼い養鶏家が教える卵の食中毒について〜 - 素ヱコ農園(スエコノウエン)平飼い卵の通販

卵の食中毒ってなに?平飼い養鶏家が教える卵の食中毒について〜

卵と食中毒について

近年、卵での食中毒は減ってきています。それは養鶏場の衛生対策の向上が大きいと言われています。

確かに、私たちのような養鶏場の人間は、行政と一緒になって、家畜の衛生管理に努めています。

この記事では、卵のプロである養鶏家である素ヱコ農園の松本が卵の食中毒について、その原因となるサルモネラについてや対処法などを紹介していきます。

 

サルモネラとは?

卵の食中毒の主な原因はサルモネラです。

サルモネラの発育温度は10℃以上、特に20℃以上になるとよく増殖し、発育至適温度は37℃です。熱抵抗性が弱く十分な加熱で死滅します。

サルモネラ菌の増殖は冷蔵庫に保存しておくことで抑えられます。

食中毒症状は、摂食後4~48時間後に発症する事例が多く、主な症状は嘔吐、腹痛、下痢、発熱等があります。

39℃以上の発熱が特徴で、脱水症状を示す場合もあり、小児、老人の場合は重症で稀に死に至ることもあります。

鶏卵の汚染の経路 -on eggとin egg-

鶏卵が汚染される経路は次の二つです。

  • on egg汚染: 鶏の消化管等に存在する菌が、糞便と一緒に卵殻表面に付着する場合
  • in egg汚染:感染している鶏の卵巣や卵管が汚染され、卵の形成過程で内部に取り込まれる場合 

 

卵殻の洗浄・殺菌が実施されているので、消毒・殺菌の処理では、卵殻表面に付着した汚れを次亜塩素酸ナトリウム150ppm溶液などで消毒・洗卵するので、on egg汚染は除去されます。

 in egg汚染は、卵内部の汚染(鶏自体の感染)なので、卵殻を洗浄・殺菌しても取り除くことができませんが、養鶏場において親鶏がサルモネラ属菌に感染しないようにする充分な取組みがなされています。

卵の賞味期限

卵の賞味期限は、もし卵内にサルモネラ菌が存在し、生食しても問題が生じない期限を表示することとされました。(1999年の食品衛生法施行規則の改定により)

卵の賞味期限は通常2週間から4週間で設定されています。

 

サルモネラの増殖に必要な鉄分が卵黄中にのみ存在し卵白中には存在しないため、卵黄膜が鮮度の低下により破れて、鉄分を有する卵黄成分が卵白内に移行して菌が増殖を始める期間として、日数と保存温度に関する関係式で計算されています。

 

賞味期限はあくまで生食で食べれる期間なので、万が一賞味期限が切れた場合でも冷蔵庫で保存されていて、品質に問題がない場合は加熱して食べることができます。

 

養鶏場での管理

養鶏場では鶏が病気にならないように衛生状態について徹底的に管理しています。

素ヱコ農園では、佐賀県の組織である佐賀県西部家畜保健衛生所の指導のもと、月に1度の報告や1年間に1回の抗体検査などをおこなっています。

今のところ、病気の検査は全て陰性なので、お客様に安心して卵をお届けしています。

素ヱコ農園は平飼いで鶏を飼育しているため、鶏が自由に動き回れるため、鶏自体も健康的で、また、四方も全て開放された空間で風通しもいいです。そのかいもあってか、鶏の死亡率もかなり低いです。

平飼いは生産者側からしてみれば、大変なことも多いですが、その分、鶏が健康になってくれるので良いなと思います。

卵についても割れていないか一つ一つをしっかりとチェックしてお客様にお届けしています。

万が一割れた場合でも、返品・交換できるような対策をし、お客様に安心して食べてもらえるよう取り組んでいます。

平飼いの様子

減ってきた食中毒?

卵は、抗菌作用を有するリゾチームやコンアルブミンが卵白の中に含まれていて、さらにpHも高いため、一般的には細菌の増殖はしにくいと言われています。

令和2年に行われた市販鶏卵のサルモネラ汚染状況を確認する検査では、汚染された市販鶏卵の割合は0.0027%程度と試算されました。(農林水産省-市販鶏卵のサルモネラ汚染状況調査

 一方で、令和2年8月に, 滋賀県内の飲食店で生卵の黄身をトッピングする「台湾まぜそば」を喫食した28人中19人が、サルモネラによる食中毒になりました。卵の管理方法に問題があったようです。

卵による食中毒は減ってきたとはいえ、しっかりとした管理が大切ですね。

平飼い養鶏場を営むものとしても消費者に安心して食べてもらえる環境づくりを大切にしたいと思います。 

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